旬の特集
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文書作成日:2016/03/24



 アベノミクスの新3本の矢に「介護離職ゼロ」が盛り込まれ、介護全般に対する関心が高まりを見せています。今国会では、介護休業等の拡充を含む改正育児・介護休業法案が提出され、審議が行われています(3月24日現在)。そこで、今回は現状の育児・介護休業法で認められている介護に関する制度について確認しておきます。


 育児・介護休業法では育児休業や介護休業等に関する諸制度について定められていますが、これまでは育児に関する事項が注目を浴び、介護に関する関心は限定的になっていました。しかし、社会的に介護の問題がクローズアップされ、団塊の世代の介護の問題の深刻化が予想されています。今国会では改正育児・介護休業法が審議され、今後、介護休業等の拡充も計画されています。そこで、今回は、現状の育児・介護休業法で認められている介護に関する制度の概要と、改正法案について確認しておきます。(※改正法案は、平成28年3月31日に原案通り可決しました。平成28年4月5日追記。)

(1)介護休業
 介護休業は、労働者が要介護状態にある対象家族を介護するために休業を取得することができる制度です。対象となる家族1人につき、要介護状態に至るごとに1回取得することができ、取得が可能な期間は、所定労働時間を短縮する制度と通算し、93日までとなっています。
なお、要介護状態とは、負傷、疾病又は身体上若しくは精神上の障害により、2週間以上の期間にわたり常時介護を必要とする状態のことを言います。

(2)介護休暇
 介護休暇は、要介護状態にある対象家族の介護その他の世話を行うために、1年に5日(対象家族が複数の場合は10日)まで、介護その他の世話を行うために休暇を取得することができる制度です。
 ここで言う「その他の世話」とは、対象家族の通院等の付添い、対象家族が介護サービスの適用を受けるために必要な手続きの代行、その他の対象家族に必要な世話を指しています。労働者からの取得の申し出があった場合には取得させる必要がありますが、賃金については無給でも構いません。

(3)介護のための時間外労働の制限
 介護のための時間外労働の制限とは、要介護状態にある対象家族を介護する労働者がその家族を介護するために時間外労働を一定の時間までとするよう請求した場合に、1ヶ月24時間、1年150時間を超えて時間外労働をさせることができないという制度です。1回の請求につき、1ヶ月以上1年以内の期間を指定することになりますが、要介護状態にある間は、継続的に請求することができ、請求できる回数に制限はありません。

(4)介護のための深夜業の制限
 介護のための深夜業の制限とは、要介護状態にある対象家族を介護する労働者がその家族を介護するために請求した場合に、労働基準法で定める深夜(午後10時から午前5時まで)において労働させることができないというものです。1回の請求につき、1ヶ月以上6ヶ月以内の期間を指定することになりますが、(3)と同じく、要介護状態にある間は、継続的に請求することができ、請求できる回数に制限はありません。

(5)介護のための所定労働時間短縮等の措置
 介護のための所定労働時間短縮等の措置とは、要介護状態にある家族を介護する労働者が申し出た場合に、所定労働時間短縮等の措置を講じなければならないというものです。所定労働時間を短縮する制度のほか、以下のいずれかの制度から選択することができます。なお、所定労働時間を短縮する制度を選択した場合には、所定労働時間が8時間の場合は2時間以上、7時間以上の場合は1時間以上の短縮が望ましいとされています。

[選択できる制度]
・所定労働時間を短縮する制度
・フレックスタイム制度
・始業・終業時刻の繰上げ、繰下げ(時差出勤の制度)
・労働者が利用する介護サービスの費用の助成その他これに準ずる制度



 現在提出されている育児・介護休業法の改正案における介護に関する事項としては、以下のような項目が盛り込まれています。

(1)介護休業の分割取得
 93日を限度として、対象家族1人につき3回まで分割して介護休業を取得できる

(2)介護短時間勤務制度の創設
 要介護状態にある家族を介護する労働者(介護休業を取得していない労働者)が申し出た場合には、短時間勤務を取得できる

(3)時間外労働の免除制度の創設
 要介護状態にある家族を介護する労働者が請求した場合には、時間外労働を免除する

(4)介護休暇の半日単位取得
 介護休暇について、半日単位でも取得できるようにする

 また、雇用保険法を改正し、雇用保険の介護休業給付の給付率を賃金の40%から67%へ引き上げることも予定されています。
 改正法案が成立されると、育児・介護休業規程の整備が必要になり、運用できる環境も整えていく必要があります。今後、法案の動向にも注視していきましょう。

■参考リンク
厚生労働省「育児・介護休業制度ガイドブック」
http://www.mhlw.go.jp/bunya/koyoukintou/pamphlet/pdf/ikuji_h27_12.pdf

※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。

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