旬の特集
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文書作成日:2016/01/28



 日本では、国民皆保険制度であるため、会社を退職した後に、何らかの健康保険に加入することになります。その選択肢はいくつかあるのですが、選んだ選択肢により、手続き窓口や保険料に違いがあります。そこで、選択肢と各々の特徴について確認しておきましょう。


 退職後、期間を空けずに再就職をする場合には、通常、再就職後の会社の健康保険に加入することになります。ただし、健康保険に加入できない時間数(その会社の正社員の労働日数・労働時間のおおむね4分の3未満)で勤務する場合や、再就職先が社会保険に加入していない場合には、2.の再就職をしない場合と同様の取扱いになり、適切なものを選ぶことになります。



 退職後、再就職しない場合には、a.健康保険の任意継続をする、b.家族の健康保険の被扶養者となる、c.国民健康保険に加入するという3つの選択肢があります。

a.健康保険の任意継続をする
 退職する日までに被保険者期間が継続して2ヶ月以上ある場合には、それまで加入していた健康保険に、2年間に限り継続して加入することができます(任意継続)。退職時の標準報酬月額により保険料が決定されますが、保険料に上限が設定されているため、一般的には収入が多い人に適した選択と言われています。

・手続き窓口
 協会けんぽに加入していた場合には、住所地を管轄する協会けんぽ支部
 健康保険組合に加入していた場合には、加入していた健康保険組合
・提出期限
 退職日の翌日から20日以内

 退職する前の健康保険料は、原則、従業員と会社が折半で負担することとなっていますが、任意継続の場合には、全額被保険者負担となります。そのため、任意継続中の保険料は、通常、退職時の2倍となります。上限額については、全ての被保険者の標準報酬月額の平均額となっており、28万円(※平成27年度の協会けんぽ)となっています。

b.家族の健康保険の被扶養者となる
 2つめの選択肢としては、家族の健康保険の被扶養者になることがあります。被扶養者となるためには、被保険者の三親等内の親族であり、被保険者によって生計が維持されていること等の条件を満たす必要があります。健康保険組合の場合には、独自の基準を設けているケースもあるため、手続き前に被扶養者になることができるか、事前に確認をしておいた方がよいでしょう。

・手続き窓口
 家族の勤務先
・提出期限
 退職日の翌日(被扶養者に該当した日)から5日以内

 家族の健康保険の被扶養者となるため、保険料の負担はありません。保険料負担としては、3つの選択肢の中で、もっとも軽いものとなっています。

c.国民健康保険に加入する
 国民健康保険は、市区町村が運営しており、一般的には、自営業者や定年退職後の人が加入する制度です。退職後の選択肢として、a.、b.を検討した後で選択することが多くなっています。

・手続き窓口
 住所地の市区町村役場
・提出期限
 退職日の翌日から14日以内

 国民健康保険の保険料は、住民票の世帯により計算されることになっており、世帯の人数や、前年の所得が影響します。そのため、前年の所得が高い場合には、保険料も高くなる可能性があります。なお、保険料額は、市区町村によって異なっているため、一概に言えません。また国民健康保険には、経済的に保険料を納付することが難しい場合等に、減免を受けることができる制度があり、任意継続にはない特徴となっています。


 このように、退職後の健康保険にはいくつかの選択肢があり、理解しづらいものです。また、保険料の負担額については、従業員の収入、家族の有無、居住地により変わることになります。退職する従業員には複数の選択肢があることを提示し、速やかに手続きを取るように勧めましょう。なお、任意継続被保険者については、再就職先で健康保険に加入する場合には、資格を喪失することができますが、家族の被扶養者になることや、国民健康保険に加入することでは資格喪失の理由にならないこともあらかじめ案内しておきましょう。

■参考リンク
協会けんぽ「退職後の健康保険加入のご案内」

※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。

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