旬の特集
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文書作成日:2015/09/24



 毎年10月には、地域別最低賃金の見直しが行われます。今年も引上げ幅はかなり大きくなることから、ここでは今年度の最低賃金とその制度の概要、そして過去の引き上げの推移について解説することとしましょう。


 最低賃金には、各都道府県に1つずつ定められた「地域別最低賃金」と、特定の産業に従事する労働者を対象に定められた「特定(産業別)最低賃金」(以下、「特定最低賃金」という)の2種類があります。地域別最低賃金は、産業や職種にかかわりなく、各都道府県内の事業場で働くすべての労働者とその使用者に対して適用される最低賃金です。一般的に最低賃金というと、こちらを指すことが多くなっています。特定最低賃金は、特定の産業について設定されている最低賃金です。関係労使が基幹的労働者を対象として、地域別最低賃金よりも金額水準の高い最低賃金を定めることが必要と認める産業について設定されています。



 平成27年度の地域別最低賃金は、全国加重平均額で798円となり、昨年度よりも18円の引上げとなっています。

表 平成27年度の地域別最低賃金 (単位:円)
都道府県名
最低賃金時間額
引上額
発効年月日
改定前
改定後
北海道
748
764
16
平成27年10月8日
青 森
679
695
16
平成27年10月18日
岩 手
678
695
17
平成27年10月16日
宮 城
710
726
16
平成27年10月3日
秋 田
679
695
16
平成27年10月7日
山 形
680
696
16
平成27年10月16日
福 島
689
705
16
平成27年10月3日
茨 城
729
747
18
平成27年10月4日
栃 木
733
751
18
平成27年10月1日
群 馬
721
737
16
平成27年10月8日
埼 玉
802
820
18
平成27年10月1日
千 葉
798
817
19
平成27年10月1日
東 京
888
907
19
平成27年10月1日
神奈川
887
905
18
平成27年10月18日
新 潟
715
731
16
平成27年10月3日
富 山
728
746
18
平成27年10月1日
石 川
718
735
17
平成27年10月1日
福 井
716
732
16
平成27年10月1日
山 梨
721
737
16
平成27年10月1日
長 野
728
746
18
平成27年10月1日
岐 阜
738
754
16
平成27年10月1日
静 岡
765
783
18
平成27年10月3日
愛 知
800
820
20
平成27年10月1日
三 重
753
771
18
平成27年10月1日
滋 賀
746
764
18
平成27年10月8日
京 都
789
807
18
平成27年10月7日
大 阪
838
858
20
平成27年10月1日
兵 庫
776
794
18
平成27年10月1日
奈 良
724
740
16
平成27年10月7日
和歌山
715
731
16
平成27年10月2日
鳥 取
677
693
16
平成27年10月4日
島 根
679
696
17
平成27年10月4日
岡 山
719
735
16
平成27年10月2日
広 島
750
769
19
平成27年10月1日
山 口
715
731
16
平成27年10月1日
徳 島
679
695
16
平成27年10月4日
香 川
702
719
17
平成27年10月1日
愛 媛
680
696
16
平成27年10月3日
高 知
677
693
16
平成27年10月18日
福 岡
727
743
16
平成27年10月4日
佐 賀
678
694
16
平成27年10月4日
長 崎
677
694
17
平成27年10月7日
熊 本
677
694
17
平成27年10月17日
大 分
677
694
17
平成27年10月17日
宮 崎
677
693
16
平成27年10月16日
鹿児島
678
694
16
平成27年10月8日
沖 縄
677
693
16
平成27年10月9日
                          
                                 ※平成27年9月18日時点
 


 最低賃金については、正社員、パート、アルバイト、嘱託といった雇用形態や呼称に関わらず、すべての労働者に適用されますが、その適用の際に注意しなければならないケースがあります。
(1)派遣労働者の最低賃金
 派遣労働者についても、当然に最低賃金が適用されることになります。派遣労働者の場合、派遣元と派遣先の会社が異なる都道府県に所在することもあり、派遣先もしくは派遣元のいずれの最低賃金が適用になるか、迷うところです。これについては、派遣先の事業場に適用される最低賃金が適用になると決められています。
(2)最低賃金の減額が認められる人
 最低賃金には、障害者や軽易な業務に就く人等に対し、減額をする特例制度が設けられています。これは、一般の労働者より著しく労働能力が低いなどの場合に、最低賃金を一律に適用するとかえって雇用機会を狭めるおそれ等があるためとされており、企業が都道府県労働局長の許可を受けることを条件として特例が認められるようになっています。対象になるケースは、以下の5つであり、事業場の所在地を管轄する労働基準監督署に申請書を提出することになります。

(ア) 精神又は身体の障害により著しく労働能力の低い者
(イ) 試の使用期間中の者
(ウ) 基礎的な技能等を内容とする認定職業訓練を受けている方のうち厚生労働省令で定める者
(エ) 軽易な業務に従事する者
(オ) 断続的労働に従事する者

 なお、特定最低賃金については、18歳未満または65歳以上の人、雇入れ後一定期間未満で技能習得中の人、その他当該産業に特有の軽易な業務に従事する人などには適用されないことになっています。



 最低賃金の上昇について、全都道府県の過去5年間の推移を見てみると、5年間継続してもっとも高かったのは東京都であり、2011年に837円であったものが、70円引上げられ、2015年には907円となりました。逆に5年間継続して最も低かったのは高知県であり、2011年に645円であったものが、48円引上げられ2015年に693円となっています。5年間で22円の格差が生じており、中央と地方の賃金格差が広がっていることが分かります。なお、加重平均額は、2011年に737円であったものが、61円引上げられ、2015年には798円になっています。


 このように最低賃金が引上げられることで、全体の賃金バランスを見直す必要が出てきます。最低賃金のチェックのみならず、この機会に他の社員とのバランスについてもチェックしてみましょう。

■参考リンク
厚生労働省「最低賃金制度」

※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。

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