人事労務ニュース
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文書作成日:2015/12/22

初めてのブラックバイトの実態調査 学生の約6割がトラブルを経験

 ブラックバイトという言葉を耳にする機会が増えていますが、先月、厚生労働省はこのブラックバイトに関する実態調査を初めて行い、その結果を公表しました。そこで今回は、この結果についてとり上げましょう。

1.約6割で交付されていない労働条件通知書
 この調査は、学生アルバイトを巡る労働条件や学業への影響等の現状および課題を把握し、適切な対策を行う参考とするため、大学生や短大生等に対してアルバイトに関する意識等調査を行ったものです(調査期間:平成27年8月下旬〜9月)。

 調査結果の中から労働条件の通知状況についてみてみると、学生1,000人が経験したアルバイト延べ1,961件をベース(以下、「調査延べベース」という)にすると、58.7%が労働条件通知書等を交付されておらず、またこのうち19.1%が口頭でも具体的な労働条件の説明を受けた記憶がないと回答しています。そもそも、使用者は従業員を雇い入れる際、賃金、労働時間等の労働条件を明示する義務がありますが、これは学生アルバイトであっても同様になります。

2.学生の約6割がトラブルを経験
 労働条件等で何らかのトラブルがあったと回答したのは、調査延べベースで48.2%(人ベースでは60.5%)となりました。下表は、その中から主なトラブル内容の割合をまとめたものになります。全体的には、勤務シフトに関するものの割合が高くなっています。

表 主なアルバイトとトラブル内容の割合
 
全体
コンビニエンスストア
居酒屋
学習塾
(個別指導)
採用時に合意した以上のシフトを入れられた
14.8%
22.6%
17.7%
11.0%
一方的に急なシフト変更を命じられた
14.6%
25.2%
21.2%
17.9%
準備や片付けの時間に賃金が支払われなかった
13.6%
16.8%
15.9%
35.2%
採用時に合意した仕事以外の仕事をさせられた
13.4%
14.8%
20.4%
14.5%
一方的にシフトを削られた
11.8%
12.3%
20.4%
12.4%
1日の労働時間が6時間を超えても休憩時間がなかった
8.8%
11.6%
21.2%
5.5%
給与明細書がもらえなかった
8.3%
8.4%
12.4%
10.3%
実際に働いた時間の管理がされていなかった
7.6%
9.0%
11.5%
13.1%
時間外労働や深夜労働の割増賃金が支払われなかった
5.4%
6.5%
7.1%
13.8%
残業分の賃金が支払われなかった
5.3%
7.1%
9.7%
11.0%

 これをアルバイトの種類別に見てみると、コンビニエンスストアではシフトに関するもの、居酒屋では仕事内容に関するもの、個別指導の学習塾では賃金不払いに関するものの割合が高くなっています。

 トラブルの中には、採用時にきちんと説明をしておくことで回避できるものもありますが、賃金が不払いとなっていたり、労働時間が6時間を超えても休憩時間がなかったりするなど労働基準法違反のおそれがあるものが見受けられます。これから冬休みや春休みで学生をアルバイトとして採用する企業も増加することから、改めて問題となるような取扱いをしていないか、点検しておきたいところです。

■参考リンク
厚生労働省「大学生等に対するアルバイトに関する意識等調査結果について」


※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。

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