人事労務ニュース
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文書作成日:2015/10/20

長時間労働が疑われる事業場の6割で違法な時間外労働

 過重労働を中心とした労働時間問題は、現代の人事労務管理における最大の課題となっています。厚生労働省は、平成27年4月から6月までに長時間労働が疑われる2,362事業場に対して労働基準監督署による監督指導を実施し、先月、その実施結果を公表しました。今回はこの内容についてとり上げましょう。

1.監督指導の結果
 この監督指導は、長時間労働削減推進本部(本部長:厚生労働大臣)の指示の下、今年1月から労働基準監督署が実施しているもので、1ヶ月当たり100時間を超える残業が行われたとされる事業場や、長時間労働による過労死などに関する労災請求があったすべての事業場が対象とされました。

 今回の監督指導の結果を見てみると、全体の2,362事業場のうち、1,921事業場(81.3%)で労働基準関係法令違反があり、その主な違反としては以下の内容が指摘されています。

・違法な時間外労働 1,479事業場(62.6%)
・賃金不払残業 252事業場(10.7%)
・過重労働による健康障害防止措置の未実施 406事業場(17.2%)

 これを業種毎に見てみると、運輸交通業、接客娯楽業において労働基準関係法令違反の割合が9割を超えているという結果になりました。

2.指導事例
 今回の実施結果の中では10の指導事例が紹介されており、問題点の把握に役立ちます。そこで以下では製造業の例を一つとり上げましょう。

[全体の概要]
 もっとも長い労働者で、月170時間の違法な時間外労働を行わせ、さらに、4ヶ月について月100時間を超える違法な時間外労働を行わせている。面接指導を受けた労働者の中には、過重労働により、体力的にも精神的にも限界に近いと訴える者も認められたもの。

[監督指導において把握した事実と労働基準監督署の指導]
 36協定の特別条項の上限時間である月100時間を超える月170時間の違法な時間外労働を行わせ、また、4ヶ月について月100時間を超える違法な時間外労働を行わせていた。

[労働基準監督署の対応]
 (1)労働基準法第32条(労働時間)違反を是正勧告
 (2)特別条項付き36協定の適正な運用について指導
 (3)長時間労働の抑制について指導
 (4)過重労働による健康障害防止について専用指導文書により指導

 労働基準監督署では上記のように指導した上で、事業場に対して是正・改善状況の確認を行い、是正が認められない場合は書類送検も視野に入れて対応するなどし、長時間労働の削減に向けた積極的な対応を行うとしています。

 厚生労働省では今年も11月に「過重労働解消キャンペーン」の実施を予定していることから、企業としては、36協定の遵守など、労働時間の管理をしっかり行っておきたいものです。

■参考リンク
厚生労働省「長時間労働が疑われる事業場に対する監督指導結果を公表します」
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000098487.html

※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。

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