人事労務ニュース
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文書作成日:2015/09/08

業務上のケガで健康保険証を使って治療した場合の対応

 ケガや病気をして医療機関を受診するとき、労働者災害補償保険(労災保険)と健康保険の2つの社会保険が利用できますが、それぞれ利用できるケースが定められています。労災保険は、従業員が業務または通勤が原因で負傷したり、病気にかかったりしたときに利用するもので、健康保険は、業務外の理由で負傷したり、病気にかかったりしたときに利用するものです。

 このため、仮に労災保険を利用すべき業務上等のケガや病気のときに、健康保険を利用して医療機関で治療を受けると、健康保険から労災保険への切り替え手続きが必要になります。このように誤って医療機関を受診してしまうことが少なくないことから、今回は、その切り替え手続きについて確認しておきましょう。

 切り替えについては、まず、受診した医療機関の窓口に申し出て、切り替えが可能か否かの確認をすることになります。

1.受診した医療機関で切り替えができる場合
 医療機関の窓口に申し出て、窓口で支払った健康保険の医療費の自己負担分を返金してもらいます。その後、労災保険の様式第5号(業務上の災害の場合)または様式第16号の3(通勤災害の場合)の請求書を受診した医療機関へ提出します。

2.受診した医療機関で切り替えができない場合
 既に切り替えができない場合には、医療費の全額をいったん、従業員が立て替え、労災保険へ請求することになります。具体的には、協会けんぽ・健康保険組合(以下、「協会けんぽ等」という)へ労災保険の適用であったことを申し出ます。その後、協会けんぽ等から医療費返納の通知と納付書が届きます。かかった医療費の全額から、既に医療機関で支払った自己負担額(3割)を除いた7割の医療費を金融機関で返納金として支払います。その後、労災保険の様式第7号(業務上の災害の場合)または様式第16号の5(通勤災害の場合)を記入し、医療費の全額を労働基準監督署へ請求します。

 切り替えは、従業員自身が行うことになり、2.の場合には、いったん、医療費の立替が必要になり、費用負担も大きくなるため、業務や通勤でのケガや病気で医療機関を受診する際には、最初から誤って健康保険証を出さないように周知しておきましょう。なお、協会けんぽ等では、業務や通勤のケガや病気であることの確認のために、負傷原因報告書の提出が求められることがあります。

■参考リンク
厚生労働省「お仕事でのケガには、労災保険!」
http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/rousaikakushi/dl/leaf-01.pdf

※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。

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