人事労務ニュース
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文書作成日:2016/07/26

求められる熱中症予防対策

 ここ数年、職場における熱中症による死傷者数は400人から500人台と高止まりしており、暑さが本格化している今夏についても熱中症への積極的な対策が求められます。今年2月には厚生労働省から熱中症対策に関する通達(平成28年2月29日 基安発0229第1号)が出されていますので、今回はこの通達の内容を中心に、求められる熱中症予防対策を確認しておきましょう。

1.熱中症予防対策の重点業種とされた建設業等
 昨年の職場における熱中症による死亡者数(平成28年1月末時点速報値)は32人と例年より多く、特に建設業および建設現場に付随して行う警備業(以下、「建設業等」という)を合わせた死亡者数は19人と、猛暑であった平成22年の死亡者数と同数となっています。そのため、今年は建設業等が熱中症予防対策の重点業種とされています。

2.屋外作業を中心に特に留意すべき内容
 この通達の中では、熱中症予防として、基本対策の中でも、特に屋外作業を中心に留意すべき内容として、主に以下の内容をとり上げています。

(1)WBGT値(暑さ指数)の活用
 WBGT測定器の設置以外にWBGT値を求める方法として、環境省熱中症予防情報サイトで例年5月から10月頃までに公表されているWBGT予測値・実況値を確認する方法があること。また、このサイトで、WBGT値の公表と併せて提供される個人向けメールサービス(無料)も、必要に応じて活用すること。
(2)休憩場所の整備等
 冷房等を備えた休憩場所を独自に設置できない場合であって、現場管理者等が設置する休憩場所を借用することとした場合は、その旨を労働者に明確に伝達し、必要な休憩が確実に取れるよう配慮すること。また、休憩場所を提供する現場管理者等においても、所属労働者に対し、休憩場所の利用を認めている旨を伝達するなど、休憩を取りやすい環境作りに配意することが望ましいこと。 
(3)健康診断結果に基づく対応等
 高温多湿作業場所において作業を行っている、または予定している場合には、その旨を意見聴取する医師等に伝え、熱中症の発症に影響を与えるおそれのある疾患を有する労働者への配慮事項等についても意見を求めることが望ましいこと。
(4)労働者の健康状態の確認
 労働者が体調不良を訴えていなかったにもかかわらず、死亡に至った事例が確認されていることから、労働者の健康状態は、労働者の申出だけでなく、発汗の程度、行動の異常等についても確認すること。

 このほか、高温多湿作業場所における作業を管理する人に対しては、「熱中症の症状」、「熱中症の予防方法」、「緊急時の救急処置」、「熱中症の事例」の4項目に関する労働衛生教育を行うこととされています。また、労働者に対しても、雇入れ時または新規入場時教育等の中に熱中症に関する内容を取り入れるとともに、日々の朝礼等の際にも、繰り返し教育することが望ましいとしています。

 なお、教育用教材として、厚生労働省ホームページで公表されている「職場における熱中症予防対策マニュアル」、熱中症予防対策について点検すべき事項をまとめたリーフレット、環境省熱中症予防情報サイトに公表されている熱中症に係る動画コンテンツ、救急措置等の要点が記載された携帯カード「熱中症予防カード」などがあります。企業としては、これらの教材を活用して労働衛生教育を確実に行い、これから迎える酷暑に向けて対策を行いたいものです。


■参考リンク
厚生労働省「平成27年「職場における熱中症による死傷災害の発生状況」を公表します」
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000125245.html

厚生労働省 通達(平成28年の職場における熱中症予防対策の重点的な実施について(平成28年2月29日 基安発0229第1号)
http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-11303000-Roudoukijunkyokuanzeneiseibu-Roudoueiseika/0000125409.pdf

環境省「熱中症予防情報サイト」
http://www.wbgt.env.go.jp/

 

※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。




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